徒然なるままに №204 あの日に帰りたい

 

美味しいものがたくさん食べられる街・グルメな街として度々メディアでも紹介されることが多い福岡だが、何とも【てんぷら】に関しては不毛の地である。

食材は豊富なのにどうしてなんだろうか?

ジモティーに大人気の【天婦羅処 ひらお】はリーマン時代よく通ったが(当時は【天ぷらのひらお】)、いつの間にかいつも行列のチョー人気店になってしまい、行列嫌いなオヤジは随分ご無沙汰している。

 

またその昔、天丼・定食が食べられる、人に教えたくないお気に入りの天ぷら屋があって、こちらも足繁く通ったものだが、今や完全予約制・コース料理のみ・お客が皆揃ってからよーいドンという、まさにグルメ御用達の隠れた名店・人気店になってしまった。

思い立ったらすぐ食べたいわがまま・気まぐれオヤジなので、前もって予約をしなければならない店はどうしても敬遠気味になる。ましてや数か月先まで予約でいっぱい等と聞くと、その時点でお気に入りリストから除外する。

そんな店だが、先日県外からの賓客との食事に数年ぶりに訪問してきた。

隣の客はわざわざ関西から足を運んできたグルメ通オーラ出まくりの紳士と淑女ペアだ。

私は食べる事が好きなだけでグルメでも何でもないので、一品ごとにあちこちからそれっぽいコメントが発せられる空間が苦手である。「わっ!」とか「おぉ~」とか「美味しい」くらいしか言えないから、必然的に黙々と食べてしまう。

美味しさは変わらず格別だったし、見送ってくれた店主と昔話やら世間話が出来たのは良かったが、残念ながらなにかひとつしっくりこなかった。

 

お気に入りなのに気軽に通えなくなるのも辛いが、長年にわたって贔屓にしてきた店が店主の高齢化等に伴って閉店していくのも淋しいものがある。

 

また誰もが知ってる老舗や行列店が、一般にはほとんど認知されることなく、屋号はそのままで大資本の手に渡り、その後合理化・多店舗展開というお決まりのコースを歩み、オリジナルの味と思い出が失われていくにつけ、「あの頃は良かった」とジジババ専売特許な想いでいっぱいである。

 

あの日に帰りたい
by小野リサ

 

オヤジK

 

 

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