徒然なるままに №165 日本学術会議問題

 

先日おまけ記事にも書いた今回の騒動ですが、皆さんご承知の通り、国内においては右と左の総力戦に加え、リベラルも参戦し乱戦模様を呈してきました。(【学術会議】へのバッシングが功を奏し、ネット上では政権擁護論がやや優勢のようです。)

また、世界で最も権威のある学術誌といわれる【Science】や【Nature】にもとりあげられ、【フィナンシャルタイムズ】【ロイター通信】【ル・モンド】などは政権を揺るがすスキャンダル等と報道しています。

 

ある意味センシティブな問題でもあり、事の推移を見守っていたのですが、大枠が見えてきましたので、今日は少しつっこんだ私見を述べたいと思います。

 

少々大袈裟な言い回しになりますが、今回の件は思想・信条・言論・学問に対する統制・弾圧に繋がりかねない問題と捉えています。

 

『学術会議側に問題がある』
『組織を見直すべき』
『研究内容が云々』
『前例踏襲が・・・』
と言う意見・指摘にほぼ異論はありません。

今後大いに議論・検証すべき問題でしょう。

 

しかしながら、現時点におけるこういった指摘は、論点をずらし問題の本質を希薄化しようとする政権擁護のポジショントークにすぎず、同じ土俵で議論されるべきものではなく、切り分けるべきだと考えます。

 

およそ40年ほど前に公選制から任命制に制度変更される際の国会答弁では「推薦者を拒否せず」「形式的な任命制」という答弁が繰り返しなされていますし、内部資料も残っているようです。

私は法律の専門家ではありませんので、詳細な論拠を明示する能力はありませんが、法律とは様々な解釈がなすことが出来、一義的ではないと理解しています。

しかしながら、先の政権から続く、独断・独善的と取れる法解釈の変更とその一方的な行使には大きな問題と危険性を孕んでいると思います。

衆参両院にて多数を保持しているのですから、国会審議に掛ければ法案を通す事は可能なはずです。なぜそれをせず、閣議決定で済ませてしまうのか?それは表沙汰にはしたくない隠された思惑があると疑わざるを得ません。

 

秘密裏に裏技を用いて政治的かつ恣意的な選別と疑われる行政権を行使したのですから、その理由を明解に示す義務があると思います。

 

「解釈変更ではなく、解釈の整理」「総合的・俯瞰的な観点から・・・」等と意味不明なこと言ってんじゃねぇ~よ!!

 

真相を明らかにすると非常に困る方々が大勢いらっしゃるようで、なんとか煙にまこうと右往左往する姿は、前政権から続く政府・与党のお家芸になりつつありますが、皆さんはどう感じておられるでしょうか?

 

今回任命を拒否された6名全員について詳しくは存じ上げないのですが、個人的には『加藤陽子』さんがはじかれていることに反応してしまいました。

任命を拒否された先生方は政府の重要政策(安保法制等)に異を唱えた方ばかりなので、『お上のいう事に異を唱えると排除します。だから皆さんお上にたてつこうなんてことはせず、云う事聞きなさい。』という、任命されなかった人たち向けではなく、そうでない人への威圧・抑制効果を狙ったものかもしれません。

前政権から露骨に行われてきた人事を盾に、服従を強いて組織を掌握しようとする専制・強権政治そのものだと考えます。(何が問題なんだと思われる方もいらっしゃるでしょうが)

 

学術会議なんてよくわからないし、僕等には関係ない等と寝ぼけたこと言ってると、この先とんでもない事態が待ち受けている気がしてならないのは私だけでしょうか?

 

『ナチスが共産主義者を攻撃し始めたとき私は声をあげなかった。なぜなら私は共産主義者ではなかったから。
労働組合員たちが攻撃されたときも、私は沈黙していた。だって労働組合員ではなかったから。
そして彼らが私を攻撃したとき、私のために声をあげる人は一人もいなかった』

by マルティン・ニーメラー

 

政府に異を唱えると排除しますという権力者の姿勢は、中国政府が香港・ウイグル等で行っている事、北朝鮮が自国民に対してやっている事、いわゆる独裁国家となんら変わりがないのでは?

今この国の政府が専制政治に舵を切りかけているという事態を問題視すべきと考えます。

 

杞憂に終わればいいのですが、この先自由な意思表明もできなくなり、周囲からレッテルを張られ、いきなり排除(捕まっちゃう)なんて事が起こるかもしれません。

 

他方、学者サイド・野党政治家サイドの一部からは、的外れなとんでも発言が飛び出してきて、これまた噴飯ものとしか・・・

 

いずれにしましても、権力者や著名人、声の大きな方や多数の意見が正しいとは限りません。先入観を持たずに自分の頭で考える必要があるでしょう(自戒を込めています)

 

以上が現時点で既に公になっている情報をもとにした私見です。事実誤認や認識不足による間違った見解もあるやもしれません。その点はご容赦ください。

 

オヤジK

 

(おまけ)

そういえば、元祖?上級国民のおじいちゃんは自己中・他責的な考えに基づいて起訴内容を否認されたようですね。これもなんだかなぁ・・・

はたまた、遠く海の向こうを見渡せば、大統領に批判的な州知事拉致未遂事件とこれまたオッタマゲ!

もう一体どうなってるの???

 

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