徒然なるままに №341 個人差と配慮

 

既に各方面から賞賛の声が上がっている『池江璃花子』さんですが、もう驚きでしかありません。

 

まさに『AMAZING』

 

こんなに早く、そしてこんな素晴らしい結果をもたらしてくれるとは誰もが思っていなかったでしょう。

徒然なるままに №011 池江璃花子

 

彼女に関して、日本選手権開催に合わせるように公開されたこちらの動画が注目を集めました。

 

「その意思が、運命を変える」

 

彼女が経験した苦しみと努力は私たちの想像をはるかに超えるものだったに違いありませんし、賞賛と尊敬の念以外にありません。

 

 

ですが、やや過熱気味と思える彼女に関する報道等について少し触れたいと思います。

 

確かに彼女は自らの意思で運命を変えたのでしょう。ですが、先の動画におけるコピーは、多くの逆境にいるひとたちにとっては、むしろ酷なもののように思えてなりません。

 

彼女がありえないほどグレートな存在なのであって、安易に「きっとあなたも彼女のように頑張れば運命を変えられます」という話をしてはいけないと思うのです。

 

痛みや苦しみ、おかれている状況等、人によって耐性は違うものです。

 

或る闘病記 これまでと、これからと

 

こちらの記事は、重度の白血病を患っている大学生の投稿記事ですが、文中にあるように白血病にも程度の差があるわけです。

 

これは、私たちの身近にある「頭痛」「腰痛」「腹痛」等においても症状の違い等個人差があるのと同じです。

 

(昭和の時代には「〇〇くらいでなんだ!」みたいな事が平然とまかり通っていましたが)

 

彼女が成しえた事は、多くの人に希望と勇気を与えたに違いありません。しかし、皆が等しく、自分の意思で運命を変えられるわけではありません。この厳然たる事実を忘れてはいけないと思うのです。

 

 

すこしばかりマイナーな話になりますが、先日モータースポーツファンにとって悲しいニュースが飛び込んできました。

 

“ノルドシュライフェの女王”ザビーネ・シュミッツが亡くなる

 

約4年に及ぶガン闘病の末、先日51歳の若さで他界されました。

 

強い意志をもってしても、どうしようもできない事があるという事実。

 

後ろを振り向くことなく人生前向きに生きていく事はとても大事な事ですが、そこだけをことさら強調するのはいかがなものかと思うわけです。

 

とかく、僕等日本人は美談や感動秘話、精神論や印象に惑わされやすい傾向がありますが、事実とのバランスが大切なのではないかと。

 

ほんのわずかな例をもって、全てがそうであるかのように錯覚するのは非常に危ういと思わざるをえません。

 

自分自身を鼓舞するのは大いに結構なのですが、他者へ呼びかける事に関しては慎重を期すべきだと思うのです。

 

池江さんのご活躍に便乗し、五輪翼賛に方向転換しつつあるマスコミ報道や一部の五輪推進派の方々等の言動をみるにつけ、なんだかなぁと思う今日この頃のオヤジKでした。

 

 

♪Take it to the limit one more time♪
限界までもう一度

 

“Take it to the Limit”
(1975年)
EAGLES

 

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